押印と捺印【言葉の違いをフカボリ】
こんばんは。
法務の日常業務として、言葉の違いに敏感になることは非常に大切なことです。
音は同じだけど意味が違う代表例
「もの」と「物」と「者」
「とき」と「時」
法務として絶対におさえていますよね。
それでは、音は違うけど似たような言葉の意味の違いご存知ですか?
昨日の記事に関連して本日は「押印」と「捺印」の違いについて取り上げます。
前回の記事はコチラ
押印とは
押印
三省堂 大辞林 第三版
印を押すこと。捺印(なついん)
捺印とは
捺印
三省堂 大辞林 第三版
印判を押すこと。また、その印判。押印。
え?……ってことは
押印も捺印も一緒やん!って思いますよね。
文理的な意味では同じなんです。
しかし、ビジネス、こと総務・法務の世界では使い分けられています。
押印は、記名とセットで記名押印
捺印は、署名とセットで署名捺印
と使われることが慣例となっています。
検索すると一部で、押印は法令に出てこないけど、捺印は出てくるから、「捺印は法律用語だ」など出てきますが、「押印」について記された条文も存在します。
以下を見れば分かるように、必ず「記名押印」「署名捺印」とセットで使われるわけでもありません。
民事訴訟法第228条
4. 私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。
ですから、ぶっちゃけ使い分けられているけど、「押印」と「捺印」は単体で使う場合、どちらを使っても問題ありません。
ただし、「署名押印」「記名捺印」と使われると少し違和感がありますし、
ドヤ顔法務マンに「あれっ?使い分け知らないの?」って言われかねません。
かくいう私も言われたことありますから…
皆さんもイヤミなやつにならないように、やさしく教えてあげてくださいね…
契約書では、一般的に記名押印パターンがほとんどではないでしょうか。(私自身は印鑑文化shit派なんですけどね)
まとめると
「押印」「捺印」に違いはなさそうだけど、
「記名」と「署名」は違うんだよってこと。
よって、次回は「署名」と「記名」の違いについて書くこととします。
本日はこれにて終了といたします。