【お年玉は誰のもの!?】お年玉を法的に解説!

企業法務

どうも皆様!!

とうとう私も甥っ子にお年玉をあげる日が来てしまいました…

「法務の職業病」の記事でも書きましたが、日常生活の中で起こる出来事が法的にどのような意義をもつか、つい考えちゃいます。

本日は、少ない給料からお年玉を捻出したこともあり、「お年玉」の法的な意義は、いかなるものか検討していきます。(法曹資格のない素人の考えですので多目に見てくださいね…)

お年玉をあげる行為は、「私」が「甥っ子」に1000円をあげることを約して譲り渡すことなので、民法549条の【贈与】に該当します。
贈与は典型契約であり、
 ①無償で財産を譲り渡す意思表示と、
 ②受益の意思表示の合致で成立します。

以上から、①私の「お年玉あげるよ」という意思表示と②甥っ子の「おっちゃんありがとう」の意思表示の合致で成立するようにも思えます。

ここで問題となるのが、甥っ子は【未成年者】であるということ。民法4条で成年が満20歳とされているところ、甥っ子は6歳なので未成年者となります。そして、未成年者が法律行為をするには、法定代理人(ここでは親である私の妹)の同意を得る必要があります(民法5条1項)。贈与は法律行為ですので原則親の同意が必要です。しかし、民法5条1項ただし書には、「単に権利を得、又は義務を免れる法律行為についてはこの限りではない」という例外があります。

お年玉をあげる贈与は、「単に権利を得る法律行為」ですので、同ただし書により甥っ子は、法定代理人である私の妹の同意なくしてお年玉をもらうことができるというわけです。

ながながと書かせていただきました。実際は、私の「お年玉をあげる」という意思表示が、本当に単に1000円をあげる意思表示なのか、法的に解釈しなければなりませんがそれは今回は、考慮していません。

法律って読む人にとって優しくないですよね。もちろん、日本語なので読めばわかりますが、「この限りではない」とか難しい言い回しにしなくてもいいのに…と思っちゃいます。
しかし、法律は、文言の文理的な意味だけでなく、それに基づく裁判例や慣習の積み重ねで、1つないし様々な解釈をとって、実社会の問題解決に役立っているのです。多少の難解さは仕方がないことだと割りきりが必要です。業界人の業界用語みたいなもんです(てきとー)

そんなこんなで、私もお年玉が欲しいと思う今日この頃なのでした…
最後までお読みいただきありがとうございました!