営業担当者からの質問についてどう返信すべきか?【コミュニケーション方法】
ツイッターで企業法務系の弁護士、企業内弁護士を片っ端からフォローしています。
その中で、「営業担当者からの質問に対する回答方法」について、複数の方がツイートしていました。
内容としては、リスクについて詳細にメールすべきかどうかというもの。
私も営業担当者へのメールについて苦慮した経験があるので、本日は営業担当者とのコミュニケーションについて記事にします。
似たような過去記事は以下
営業担当者からの依頼について…
口頭質問の場合
大前提ですが、営業担当者から法律的な事項について質問される場合、メールの場合と、口頭の場合があると思います。
口頭での質問の場合は、面倒と思うかもしれません。
法務パーソンはリスク管理の意識も高いため、口頭では記録も残りませんし、上長にも情報共有できないことから、必ずメールで相談することとして、一旦話を打ち切って、後でメールしてくださいということもあるでしょう。
企業によっては、法務ポータル等を設置して、質問をウェブ上のフォームに記入させたり、必ずメールで質問するように徹底周知している場合もあると思います。
しかし、そんな中でもルールを破る方はいますし、小規模企業では口頭確認での迅速性が求められることもあるでしょう。
私の場合は、口頭で質問されても絶対に拒絶しないことを徹底しています。
というのも、営業担当者はすぐに回答がほしいから口頭で聞きに来ているからです。
ですから、少なくとも一旦受け取って、今すぐの回答が難しい場合は追ってメールすることにしています。
後に、聞き取った内容を議事録みたいにまとめて、「以下の内容でご質問受け付けました。○○日をめどに回答します。」と回答メールしていますね。
社内ルールを徹底することも大切ですが、我々ば間接部門。
営業担当者が便利になるように支援することが第一です。
メール質問の場合
メールでの質問については、必ず即日回答すること。
即日回答できない場合はいつまでに返事を出すか明記することは必須です。
(新卒研修でもしつこく指導されるような基本的な内容ですが…)
この点、一人法務でない法務パーソンにとっては、上長への回答確認のプロセスがあるため、案外だらだら回答することもあったりするかと思います。
新人法務ですと、自分の中で複数の回答を用意したり、どうやって返信するかな~と悩んでいるうちに翌日となり、翌日は上長が外出だったことを忘れて、さらっと意見をもらえなかったり…
ですので、正確性ももちろん大切ですが、迅速回答第一
これを心においておくべきです。
本題について
さて、本丸のメール質問に対する返信についてです。
ここ、結論が永遠に出ないところだと思います。
営業担当者は法務に関して素人です。
「契約なんて日常生活でもすることだから少しはわかるだろ。」と思ったりしていませんか?
言い方は悪いですが、向こうは契約書の名義をどうすればよいかはおろか、割印がなければ契約は無効だと思っている連中です。
営業担当者が最低限の契約知識を知っていると心強いですが、彼らは営業のスペシャリストならそれでいいんです。
多くを求めてはいけません。
「契約書を締結する」
法務なら上記の言葉に違和感を覚えますよね?
契約を締結するわけであって、契約書は取り交わしたり作成するものだろってね。
ですが、このような細かい言葉についても正確な言葉に直してメールしていればメール文が長くなりすぎます。
時間がない営業活動の中で長いメールを送ることは妨害以外での何物でもないと思います。
端的に回答することは必須です。
自分の中では、メール文が8行以上になったらアウトとしています。
中には、リスクについて説明が必要なことがあるのはもちろんです。
そのような場合は、箇条書きでリスクを書いたうえで、詳細は口頭で説明したり又は補足メールという形で補足します。
文面で大切なのは結論を先に書くことです。
営業担当者はメールを見ない。見ても上の3行しか読まないと思っておくべきです。
この3行でいかに理解してもらうかが大切。
無駄に条文や契約書の文言を引用したりしていませんか?
営業担当者からすれば、わからないものについて長々説明されたところでウザイ以外の感想は出てこないです。
聞かれてから根拠は答えればよい。
その代り、いつ聞かれても根拠が出てくるような状態であればよいわけです。
最後に
私の意見を書かせていただきましたが、もちろんケースバイケースであることは付言しておきます。
この人は、「長くても、根拠があるメールを求める人」
この人は、「とにかく早く、短い文章がほしい人」
など営業担当者ごとに特質をつかむことは法務パーソンの務めです。
なぜ、メールは短く!条文引用なんてウザイ!と過激に書いたかというと、
法務パーソンは案外頭の固い人やプライド高い人が多いから。
これ、案外あるあるだと思うんですよ。
法律的にはこれが正しいから!(ドン!)
って感じの人いません?
特に下請法関連とかに多いですが、条文読んで、できないと回答するだけなら法務はいらないんです。
営業担当者からの質問に、どうやったら法律的にグレーなところを回避できるか、リスクを小さくできるかを回答するのが、法務として最大の仕事だと思います。
こうすれば、法務がお金を稼いだといっていい状態です。
ウザがられる内部監査の人と同じ状態に陥ると営業担当者からウザがられます。
営業担当者からめんどくさいと思われた時点で、迅速正確な情報を得ることなんてできなくなります。
それこそ、法務としての仕事がやりにくくなりますよね。
みなさんも営業担当者とは良好な関係を築いて法務として仕事をやりやすく、より向上させられるように頑張りましょうね!(自分への戒め)
といったところで、本日はこれで終わります。
最後までお読みいただきありがとうございました。